LOST

好きな音楽家がずっと「失う」ことすなわち「喪失」について歌い続けているのに、俺は最近その意味が本当に分かったような気がしている。

今までも分かっているつもりだったが、ぶっちゃけ解像度が高くなかったかもしれん、ピンと来てなかったのかもしれんと思った。

自分の身に振りかかることよりも、周りの友人達を見てて「お前それ本当にどうにもならなかったの?」とか思ったりして、でも本人はその時のベストと思える決断をしたんだろうし、何とも言えんけど。俺も人生振り返ったら、つーか生きてたら人並みに別れを経験したり、決断を誤ってどうしょうもない結果になったりしたことはあったし、でもその時その時で最善…というより「この時はこれしか出来なかった」と思っているので、あんまり今まで気にしたことがなかったのかもしれん。「失っている」ということについて。環境を変えた場合、それで失ったものよりも得る者のほうが大きかった人生だったのかもしれんし、そう考えるとだいぶ幸せな人生な気もするな。時間が経ち、年をとっていくにつれ体力が落ちてきて若い頃なら出来たスケジュールで行動出来なくなってくる、これも「喪失」のうちのひとつだし、思い出をしがんでしまうことくらいしか最近は楽しみがないのだが、しがむこと自体が喪失している証なのだ。

多くの人との別れについて、いつからか(あまりに頻繁に起きる出来事なので)無感情でいるようようになっていたけど、だから「喪失している」ことに気付かなくなっていったのかもしれない。