2023年M-1感想

・今更なんだが、なぜ今なのか俺にもわからないが、2023年M-1の感想を思い出しながら書く。忘備録なので、目新しい視点とかは無い。予選動画の感想とかはもう流石にいろいろ見すぎて忘れた。敗者復活についてももう忘れたが、ママタルトのマイムが判読できなくてロングコートダディのほうがおもろかったように感じてしまった。エバースは予選の時点で友人からおススメされていて面白いよな。くらいかな。

んで、お恥ずかしながら今回くらいは試しに自分で採点、点数つけてみようかな(痛い)と思ったのですが途中で整合性つかなくなってやめました、がその途中の数字だけでも書き記しておきます。

1 令和ロマン

存在は(主にニューヨークの後輩として)知っていたし何ならyoutubeも見たことあったし、3回戦でのオリンピック徒競走のネタはかなり好きだった(総じて、みんな3回戦のネタのほうが好き…ってのあるな。ダウ90000なんて、準々決勝のネタ全然ダメだったけど3回戦は最高だったのだが。。。)のだがあまり期待はしていなくて、まぁこんなもんだろう、トップバッターだし優勝はしないだろうけどウケてるし十分爪痕残すだろうし良かったね~くらいに思っていたら、ですよ。2023年KOCの1番手カゲヤマ準優勝もそうですが、2023年は「トップバッターは基準点になる&客が温まってないから優勝出来ない/高得点が出ない」という定説が瓦解した年でした。私は、様子見と、令和ロマンならこの程度やるだろう/3回戦のほうが面白かっただろと思い89点にしたが、後から考えるとあまりに低すぎる。

※あと、今youtube(公式)でネタ見返したらおかみさんのくだりがしつこかったり声が被って聴き取りにくかったりして、だから低めにつけたんだなぁと思った。つーかよくこれで勝てたな?と思った(ディスではない)

 

2 シシガシラ

存在は知っていて何度かTVでネタ見たことあって、このネタも見たことあった。彼らの「名刺代わり」のネタなのでこれをかけたのだろうし、これをかけると決まっていたとのことだが、敗者復活戦での山崎まさよしネタだったら結果はまた違ったものになっていただろうなぁ…と100人中100人が思ったやつ。あのネタ、客と芸人の共犯関係みたいなのが構築されていくところが凄まじいと思う。

で、シシガシラは嫌いじゃないしマジで頑張ってほしいのだけど、今回に関しては「ポリコレやコンプラで縛られているのを逆手に取ったネタ」には逆風が吹いたと思う。というか、芸人さんはそういうネタはマジでよく考えたほうが良いと思う。敗者復活の時のニッポンの社長のネタもその路線だったが「あーあ…」って冷めちゃった。そう考えると、2022年ウエストランドは予選の時点では「ありなしクイズ」ではなく、ポリコレを逆手に取ったというかメタに捉えたネタだった記憶があり(1回戦だったかな)(河本のほうがやべーやつを演じるネタだったはず)その時は私は「すげぇじゃん!」と興奮して肯定していたのだが(だから決勝で「ありなしクイズ」だったのであれ・・・?と思ったことが、そのまま勢いで優勝したことと自分の中の温度に差があったのだが…割愛!)、結果、決勝でありなしクイズなのは流石と言うか、22年だったから良かったともいうか。もうポリコレいじりはいいんじゃね?っていう話です。んで、前置き長かったけどシシガシラの決勝ネタに関しては単純に「スチュワーデス→キャビンアテンダントとかになってるのにハゲだけは良いのかよ!」というツッコミに「確かにそうだよな…」と客が納得してしまった、笑いより納得が勝ってしまったんだろうと思いました。私的得点は83点。

シシガシラ、難しい芸風過ぎるけど新時代のハゲネタ、応援してます。

 

3 さや香

去年で既に面白いことは分かっているのですが、その期待にちゃんと応えて後半爆発。笑いが爆発するまでちょっと時間かかった?とか言われてはいたものの、ファーストラウンドトップ通過には異論なし。私的95点。ただ、外国人留学生がオッサンだったと分かってそこまで拒絶する?うわっそうなん?くらいのリアクションじゃない?というような意見をtwitterで見て、たしかにそうかもなと思ったのと、たしか松本人志が「エンゾは50歳くらいだと思ってたけどね」みたいなこと言ってたよね(うろ覚えだが)。ボケなんだけども、にしてもエグい。松本人志ならそれくらい予想してそうだな~と思うので。TV見てる人でも実際そういうオチが来ることを予測出来た人もいたんじゃないかとは思った。

 

4 カベポスター

カベポスターは2022年のM-1で初めて知って、たしかその時の準々決勝かなんかのネタを見て「ふーん」くらいの感想だったのだけど(予選動画を死ぬほど見まくると、設定がよほど捻りまくってないとコント漫才を「ああ、コント漫才か」と思ってしまう病にかかります。私は。)実際22年決勝は面白かったよな…反省…と思っておりました。んで今年のネタ、個人的にはすごく好きでした。私的92点。誰かには「友だちの面白い話を聞いているような…」みたいなこと言われてたけど、その感覚もわかるけども、漫才ってそもそもそういうものでは?ダウンタウンだって「あんなのチンピラの立ち話やん」と言われて「チンピラの立ち話で結構」と返したという話があるわけで。スピード上げて手数で勝負する傾向になりがちな(NON STYLEとかが顕著だが)M-1において、決して早くは無いテンポで雰囲気出せる今回のカベポスター、好きです。まぁでも、これも審査員の誰かが言ってたけど、盛り上げ所を作らなきゃ優勝狙えないから4分でこのテンポだと厳しいという意見もメチャわかる。でも夢くらいは見させてほしい。カベポスター、東京にはまだ来ないんだろうけど普通に売れそうだ。ラストに浜田さんが噛んだのは全く気になりませんでした。

 

5 マユリカ

なぜかラヴィットが番組当初から囲っているマユリカ。最近東京に出てきたばかりなのに、大阪時代から何故か重用しているマユリカ。今回初の決勝ということで、しかも4位か、こりゃあ売れるねぇ。

なんとなく「どっちも変なヤツ」みたいなイメージだったけど(一般的にもそんなイメージからか「キモダチ」なるキャッチフレーズをつけられたのだろう)、普通に漫才面白かったし優勝するには決め手に欠けたか、もしくは世界観とか新しさに欠けたか?とは思うけどまずは良い結果なのではないか。何か特にいうことはないな。あと、アナザーストーリー的な関連動画、舞台裏動画見ると二人ともイイ奴だったり「持っているヤツ」で(令和ロマンが優勝して舞台裏戻って来て直ぐに二人を褒め称える中谷、煽りVで「俺達が一番面白い」に選ばれる阪本など)。華がある。私的91点…にしたのだが、この辺で令和ロマンを低くつけ過ぎたと気付き破綻(これ以降も一応点数はつけている)。

 

6 ヤーレンズ

ヤーレンズは2022年の予選で、既にラーメン屋のネタをやっていて知ったが、その時は「オーソドックスなラーメン屋のコント漫才だなぁ」としか思わなかった(理由は前述)。でも敗者復活で同じネタでめちゃめちゃウケていて、俺もその時はめちゃ面白いと思って視聴者投票の3組のうち1組に入れたはず。んでそこから興味持って何個かネタを見たり、しくじり学園放送部のゲスト回を見たり、と。そもそもAマッソチャンネルでの「わかりづらい不幸話をするバー」企画で出井さんのトークも大好きだったので、どんどん注目していった。そして今回の予選、3回戦。彼女の為にバースデーケーキを買うためにケーキ屋に行くコント漫才。説明は省くが(省くと、ネタ見てない人にはさっぱりだろうが、この文章自体がM-1見てない人にはさっぱりなので、説明はやはり省く)「カルフォルニアロールの戦法じゃん」「戦法…??」「どっちかって言うと「カルフォルニアロール…?だろ」のくだりは痺れた。今大会で私が鑑賞した中では一番の衝撃だった。そしてこのネタの最後も、だ。当初普通のケーキ屋のコント漫才だったのに最終的にはラクダを引き、煙が出てるケーキ箱を持ち帰る出井さんの姿が、アラブの魔術師となって店を後にする映像が見えた。圧倒的なファンタジーにぶっとばされた。ネタを何度も見返した。見返すたびに、1つひとつのボケ&ツッコミが一ひねり加わっていてかなり吟味した上で作られていることが分かる。発見がある。これがヤーレンズの凄さだ。

そして決勝。ラーメン屋のネタやケーキ屋のネタよりは下回るなと思ったが、かなりウケていたし、審査員にも「どのボケも誰かには刺さるように出来ている」と言われていて、そうなんだよな!流石審査員!と思った。んで、僕はヤーレンズのことが好きになりながらも優勝は無理だろうなと始まる前に思っていた。なぜなら爆発が無いネタだから。序盤からバンバンウケつつ、後半で一番の笑いのピークを作る。そういう4分間の使いかたをした奴が優勝する、M-1を優勝するのは決まってそういうネタだと思っていた。でもヤーレンズはピークが無い。吟味し尽くしたボケとツッコミを大量にバンバン当てていくだけだから厳しいと思っていた。だけど違った。「ピークを作らなくても中~強パンチをとてつもない速さの連打で当てまくる」ことで押し切る、勝ちきることで優勝圏内まで行けるんだ、と知った。私的94点。

 

 

だめだ、書くのの疲れてきた。記事二つに分けます。