Aマッソとニューヨークがとうとうコラボしてしまった

私がyoutubeをチェックしている数少ない芸人さんとしてAマッソとニューヨークがあり(さらば青春の光も割とチェックしている)、つまりは大好きな芸人2組が、とうとうコラボする、してしまうということで先日その動画を見て興奮したりいろいろ考え込んでしまっていた。

 

実際、動画内でも加納さんが、よくAマッソとニューヨークが並べられることが多いように感じるが何故なのか?(ニューヨーク側はあまりそう感じていなかったが)という意図の発言をしているが、まず、Aマッソとニューヨークの共通点を個人的な視点でまとめてみた。

 

1 芸歴が近く、だいぶ前からネクストブレイク枠として注目されるもそこまで売れず、今になって売れかけている

もともと私はお笑いファンではなく、つい最近お笑いに関心を持つようになったのでよく知らないのだが、両者とも4~5年くらい前から「ネクストブレイク枠」若手として評判だったようだし、劇場レベルや芸人仲間からの評価は高いようだったが全国区・テレビへの出演等を頻繁にするようになったのは今、という共通点があると思う。動画内では、いろいろ揉めているものの芸歴は「同期である」ということで一応収まりがついているように思える。ちなみにAマッソの知名度上昇のきっかけとなった「笑けずり」は2015年、ニューヨークがレギュラーだったがすぐに終わってしまった(おそらくめちゃイケやはねトビみたいなものを目指したであろう)バラエティ「バチバチエレキテる」は2013年。……2013年!?かなり前じゃん。

 

2 漫才・コントのどちらとも優れたものを作っている。

今はどっちもやる人達が多いと思うので特筆するような共通点でもないかもしれない。

 

3 攻めた芸風、風潮と逆行するような誰かを傷つけるようなお笑い要素、それによって炎上してしまうこともあった過去

炎上については調べたら出てくるし、いちファンとして(本人達が既に謝罪したことを)わざわざ今更明記したくないので書かないが、両者とも、一般ウケから遠いように思われるようなネタや企画をやっているように思える。Aマッソは枚挙に暇がないレベル…すなわちほぼ全て、ニューヨークはキングオブコント準優勝の時にやった「ヤクザ」(リンクあり)、普段のyoutubeでの(まだ知名度の低い)後輩・同期イジリなどで、方向性は全然違うのだが両者とも「攻めた笑い」だと言われることが多いような気がする。ニューヨークの、ハマーのネタやドラゴンアッシュのネタは「エッジが効いている」と評されてもいた。もしからしたらAマッソ・ニューヨーク両者に対して「毒舌」とか「毒のあるネタ」みたいなイメージを持っている人も多いかもしれない。

「誰かを傷つけるようなお笑い」に関しては、ニューヨークのネタを見て(ファンではあるが)私も(俺のような人間を馬鹿にしてんのかな…?)とか(そこまで言うことなくない…?)と傷ついたこともあるし(苦笑)、Aマッソのネタではそこまでパッと思いつかないが、加納さんの攻撃的な強めのツッコミがそういう印象を残しているのかもしれないし、有吉の壁で「誰も傷つかないお笑い」と評されたぺこぱに対して「それによって傷ついている芸人もいるという件についてはどうお考えですか?」と詰め寄るネタをやっていたのでそういう印象があるのかもしれない。

 

4 コロナ過前からyoutubeをやっており、積極的に企画動画をアップしている。

これもそういう芸人が多いだろうとは思うが、TVに出て売れそうだったけど実際は出させてもらえなかった現状を打破する方法として早い段階からyoutubeを選択した、というのはありそうだなと思う(ニューヨークは実際にそのような理由だったと思う。Aマッソはわからんが)。ちなみに私は、Aマッソを知る→youtubeを見る→関連動画にニューヨークとさらばが出まくってくる→ニューヨーク→今に至る、なのだが、このことからもファン層はかぶっているんじゃないかとずっと思っていた。

 

5 ボケ担当の演技がクソ上手い。

これはオマケみたいなもんだが、Aマッソのボケ担当村上さんと、ニューヨークのボケ担当嶋佐さん、どちらともコントのときの演技がバリ上手い。役者の道もあるような気がする。

 

あとは……どっちもお笑い以外のカルチャーへの理解がありそうだなということくらいっすかね?お笑い至上主義!みたいな風にとられがちだけど、加納さんは小説を書き、屋敷さんは版画展やったり、嶋佐さんはムチャクチャ音楽好き(私と音楽の趣味カブリまくりです)。

 

こんなもんだが、Aマッソ加納さんとニューヨーク屋敷さんは、(単純にそのコンビ+さらば、ヒコロヒー、くらいしかあんまり知らないというのもあるが)この世代のツッコミ&お笑い頭脳の両雄だと思っていて、っていうか両コンビともカリスマだと思っている(ニューヨークが若手からは「無限大のカリスマ」扱いされ、Aマッソ加納さんも女芸人からはカリスマ視されているという話もちらほら聞く(気がする))。

もちろん、共通点ではないところ、両者の方向性の違いも当然たくさんある。だからこそ、だからこそなのだ。だからこそ、不安だったのだ。コラボが。共演が。

 

youtubeは、コラボするのがカルチャーである。当然、Aマッソもニューヨークも多くの芸人とコラボ動画をアップしている。Aマッソなら、松竹時代から交友があると思われるさらば青春の光とのキス動画や、The Wで因縁(一方的な?)のあったゆりあんレトリバァとの動画は秀逸だった。最近はワタナベ所属の若手に突撃する企画も面白かった。ニューヨークは、先輩・後輩・同期などが沢山出演しており、そこでの身内ネタやゴシップネタなどが大きな魅力となっている。

当初、私はAマッソ・ニューヨーク両者のファンになったので、「コラボしてくれ!」と思っていた。両者ともさらば青春の光とも距離が近い芸人だし、上記のような共通点もある。だが、youtubeコラボは無理だなとも思っていた。ニューヨークは主に東京吉本の芸人が出演しており、たまに大阪吉本の人とのコラボ(見取り図とか)もあるが、多くは「東京吉本」だ。「東京吉本カルチャー」を一般の人に見せよう、というのがニューヨークチャンネルのダイナミズムであり醍醐味だ。コラボは…無いな、と思った。

 

昨年から今年にかけてニューヨークはよくTVに出ている。最近はAマッソ加納さんも普通にクイズ番組に出ていて驚く。このままいけば、いずれ番組で共演し、絡みもあるだろう。最近ネタ番組や若手のコント番組も多いから、そういうのでもガッツリ絡む可能性がなくもない。それを期待し、待とう。そういう気持ちに変わっていった。また、いくら共通点があるといっても芸風が違うし、youtubeでコラボしてもうまく噛み合わないのではないかという気持ちにもシフトしていった。AマッソのyoutubeはAマッソワールド全開だから気持ちが良いのだ。加納さんが主導権を握っているスペースだからこそ強さが出せる(逆にそれが出来ないTVはまだやりにくそうに思える)。ニューヨークは「イジリ」や「回し」をしたときのほうが良さが出るとは思うが「イジられ」「やられ役」も出来る(強いキャラクター性は無いが最近TVで使われるのはどちらもシームレスに出来る反射神経の良さなのではないか)。。。。えー、話が脱線しかけた。

 

しかしだ。ウワサで「Aマッソとニューヨークがコラボする」と聞いた。マジか。もう撮ってしばらくたったらアップするらしいという。嬉しかったし期待はした。だが、上記の理由で不安はかなりあった。

 

ここで、度重なる前置きをしなければならんのだが、そもそもAマッソとニューヨークに絡みがあるのか?という点。若手シーンに詳しくないし彼らの過去もあまりよく知らない。あまりなさそうだな、少なくとも仲良くはなさそうだな、と思った。とりあえず、私が確認できることはお互いのyoutube上での言動だけなので、それをまず振り返ろう。

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これはAマッソ2人の同級生で親友である、西木さん(当然素人の方である)と話をするという動画なのだが、その中でAマッソが西木さんに、売れるためにどうすればいいかアドバイスをもらう。(動画6:50あたりから)。

西木さん「最近コンビ仲の良い人達が売れていくと思う。ぺこぱ、EXIT、アキナ…。そういう毒のない人」と。その流れで、「逆に嫌いな芸人だれ?」と加納さんが訊くと西木さんが「ニューヨーク」と即答するくだりがある(一番の盛り上がりどころでもある)。

これはあくまで親友の西木さん(素人)の意見なのでAマッソが直接ニューヨークをディスったわけでもなんでもないのだが、一応今回の「伏線」として挙げておく(いま見返すと、西木さんもAマッソ・ニューヨーク共に「毒のある芸風」という評価をしているのに気付かされる)。

あと、触れるべきはやはりこの動画であろう。

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昨年12月の動画。youtubeコメ欄か何か?を読んでいく動画である。この2日前にThe W特集動画をアップしており、その流れでAマッソの話も出たのだと思われる。

(9:19あたりから)

「コラボしてほしい」というコメントを読んでおり、サムネにも「Aマッソさんコラボしてくれるかな」と書かれているし、「Aマッソとニューヨーク、類似タレント?」「Aマッソとニューヨークと金属バットね?」みたいなくだりがある。

 

んでこちら、そのThe W解説動画ですが、嶋佐さんが「Aマッソ姉さん」と言っている(割と冒頭のほうで)

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他にもお互いが言及している動画があるかもしれないのだがまぁ勘弁して…。

で、本当は一番載せたかったのは少し前のAマッソのインスタのストーリー。

「芸人雑誌vol.2」表紙の件で、Aマッソ・ニューヨーク・空気階段の三組による「3パターンある表紙」を宣伝する際加納さんが「おいお前ニューヨークのやつ買ったんちゃうやろな!しばくぞ」「空気階段ならまだ許す。2冊買え」みたいなことを言ってる(正確な文言は忘れたが)インスタのストーリーがあり、「おっプロレスか?」と思った記憶がある。

 

ま、そういうことで(そういうことで?)私は心配し震えながらコラボ動画を見た、ということです。これだ!

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ドキドキしながら観た結果、いろいろ言いたいことがあるので書きますが、「思ったより良かった……」というのが正直なところで…良かったです…。

まずはニューヨークチャンネルの30分トークのほうから。

 

まぁ、当然実力もあり、最近両者ともTVに出てるわけだし、いままでもライブ・劇場で会うこともあったようで、かなり和やかに進んだように思いました。

ただ、ニューヨークの芸風の強みは「ドキュメント性」だと私は思っております。

この30分トークは特に、「ゲスト芸人のルーツを根掘り葉掘り訊き」ながら、ラジオのように雑談形式で話が進んでいく、いわば、真面目な話をするコーナーであってそこから笑いも生まれていく、それがこのコーナーであり拡大解釈するならばそれがニューヨークの強さでもあると俺は確信しているわけです。余談ですが、ジョイマンがゲストの回は痺れましたよ。のっけから屋敷が「ジョイマンさんって、二人ともオシャレですよね」って言うんですよ。(参考リンク)ジョイマン自身もそんなこと言われたことないだろうから何かあるのか疑っちゃうっていう(笑)。いち視聴者の感覚としては、ジョイマンというのは一発屋だということをイジられるのが一般的だと思うんですが、ニューヨークにとってはあくまで「TVで売れた東京吉本の先輩」なんですよね。もちろん売れてから落ちていく時期の話も訊いてましたけど、東京芸人の目線で、あくまでもその「人間」に対する興味からスタートする。これちょっととんねるずっぽいな、みたいな匂いも感じるわけです。「ジョイマンはオシャレでかっこいい」という文脈の提示はニューヨークにしか出来ないことだし、私には衝撃的だったのです。

少し脱線しました。続けます。

で、そのニューヨークのドキュメント性に対してAマッソはあくまでも「お笑い」であろうとしてしまい、質問に「真面目に答えない」という反応をしてしまい、途中から「これは違うな」と思ったのかモード切り替わりますけど、そこで時間を食ってしまって「30分じゃ足りないよ!もっと聴きたかった!」とは、私は、なりましたね…(笑)。

おそらくAマッソにとっては「同期」とか「細かい上下関係」とかは興味が無い。彼女たちの経歴(インディーズ→松竹→半年フリー→ワタナベ)が複雑だというのもありますが、そもそも「同期」という概念は吉本(NSC)の文化であって、他事務所の芸人はそれに合わせているだけにすぎないんだな、ということを痛感させられる動画でもありました。。「第七世代」の話題になったときも、そういうレッテルから意識的に距離をとってきたAマッソと、そういう「レッテル」とか「世代分け」を逆手にとって第七世代に噛みつくことでTVに出たニューヨークとの、方向性の違いを感じました。ニューヨークの笑いは、その同期だの世代だのといったレッテルやジャンル分けみたいな物を自虐したりツッコんだりしながら楽しむ笑いであり(「ザ・エレクトリカルパレーズ」「花鳥風月問題」)、音楽のジャンルや文脈の話が好きな私のような人間にとっても通じる部分があり、大好きなんですよね。

 

でももちろんスリリングな瞬間はありました。

質問に答えようとしないAマッソに対し「金属バットみたいやな…」と言う屋敷さんに「2021年の「金属バットやな」は悪口」と返す加納さん、続けて「2019年なら褒め言葉」と言う村上さん、屋敷「小さいからライバルとして見れないかもしれない」からの村上「気持ち悪くなってきた」の流れも凄かった。

神奈川大学は国立では無くあんま頭良くない」はニューヨークあるあるなのだが(かつてネタにしてた)、その時点で「あ、村上さんダンボール大学って言うな…」ってわかったし、加納はB専→「全部愛したんじゃ!」のくだりもTEAM BANANAさんとのコラボの時に近いパターンを見たし、既視感のある両者の持ちネタを楽しめたのもまぁよかった。「茨城から上京して…」「TEAM BANANAさんみたいだな?」な下りもあり、TEAM BANANAさんに感謝…(Aマッソコラボだけでなく、ニューヨークチャンネルにもゲストで出てるので必聴です!)(これです

 

あと特筆すべきことは、村上さんの反応の速さですね。どちらかというと加納さんがガンガンしゃべる印象だったので。そら歴戦の芸人さんなのでそらそうなんですけども…。「第7世代」の話題になった時に「数字ボケムズイ」と答えたのは本当に秀逸だと思いました。「第七世代」というレッテルからは距離を置きたいが、それに括られてTVで活躍している霜降り明星四千頭身のような、交友関係のある芸人仲間を否定したいわけではない…みたいな気持ちが、加納さんは恐らくどう言おうか考えているけれど村上さんは反射神経的に「ムズい」という言葉を使ったのが凄く、優しさがあるなと思いました……(ファンの妄想が入っています)(その直後加納さんは「第7サムいみたいなスタンスでやってる…」と小さ目の声で言っていますが、「ムズい」のほうが優しさを感じるなと思いました)。そしてそれを瞬時に察した屋敷さんが「まぁAマッソはようやろな…」と言って手を引く瞬間はどこか感動すら覚えました。

 

○Aマッソ側の企画のほうは、ほぼ理想的な感じで良かったんじゃないですかね。特に言うことはありませんね。

ちゃんとバラエティしてる感じでした。

やはり自分のフィールドで話をすすめられるAマッソは強いな、ニューヨークはやられ役も出来るのが強いな、でも思ったよりニューヨークが正解を出しちゃったのでオチない、というオチも流石だな、と思いました。

Aマッソに突撃されてソッコーで「しんど」という嶋佐さん、「5時間回してるんですよ」と返す屋敷さん、キレありました。

 

結論!カリスマ・両雄並び立たず的な雰囲気がゼロではないが相性が悪いとも思えなかった、思った以上に良かった、これからもライバルプロレスは続けてほしい、共演は年一くらいでいいから見たい、これからもよろしくおねがいします!!!!!!!!!!コラボしてくれてありがとう!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! 

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