マニアだらけになるとそのジャンルは滅びるという話について

今年のあちこちオードリー新春スペシャルで伊集院光が、いつからM-1審査員ってこんなに漫才師だらけになったんだろう(初期の頃は立川談志鴻上尚史青島幸男とかいた)、歴代チャンピオンやファイナリストのような専門家だけがそれを評価し、そして客や視聴者もお笑いマニアになっていることに対して、「どんどん鋭角になっていく」、マニアのためのジャンルになったらそれは滅びるという旨の発言をしていて、若林は(審査員なので)やんわり反論していたが、自分はM-1に対してそう考えたことがなかったのでとても興味深かった。

音楽だと、ジャズなんかがそうなわけで(今現在のジャズシーンが盛り上がっていて素晴らしいことはなんとなく知っているけども)、かつてのジャズは大衆性のあるダンスミュージックだったビッグバンドのスウィングジャズから、芸術性を求めてプレイヤー至上主義のビバップやその派生へ向かい、そこがジャズの一番の全盛期ではあったものの後に現れたロックに大衆性を明け渡すこととなり、「わかるやつにしかわからない」ジャンルになるわけで。

古参が新参を排除するようになるとそのジャンルは滅びる、というやつですね。

 

お笑いの世界で、舞台の裏側だったりそういうものを見せて楽しむものが増えて、俺も好きだし、それを拒む芸人に対しては素人にも評論させろやとか思うわけですが(映画もスポーツも音楽も素人が好き勝手言ってるじゃないですか)、でもなんかやっぱ何も知らない人も巻き込んでいくのが一番いいんだよなとか思うモードに入ったかもしれません。自分は音楽に対してあまりにも「わかるやつにはわかる」をやって来すぎたのかなぁと。自分はあくまでリスナー要素が強くて、歴史とか文脈とかが好きでリスナーとしてのマニアックな要素を持ってると思うんですが演奏者視点のマニアック要素(音楽理論とか奏法とかの話)に興味が薄いことを免罪符にしてきましたけど何もわからない人にとっては同じなんだよなぁきっと。たまに勘違いされるもんね。

 

いつ何処で言ったかは知らんが渋谷陽一が「アニマルコレクティブみたいな音楽が10年後どうなってるかわからんでしょ」みたいな発言をしたらしいとTwitterで流れてきたけど、2010年インディーロッカーの俺はクソがよベルベッツもソニックユースも歴史に残ってるしそうとも限らんやろ、と思いつつも、あの頃のUSインディーアクトがヴァンパイアウィークエンドとボン・イヴェールくらいしか下の世代からの知名度無いよなぁ、あとせいぜいザ・ナショナルとか?(ダーティープロジェクターズとか知らなそう)と思うと渋谷陽一当たってるかもなぁ、とか思ってしまったとさ。

 

追記、そして、マヂカルラブリー千原ジュニアを見ても、アジカンを見ても、丸くなることはきっと悪いことではない。そもそも「良い事」なんだよな。