俺はここ5年くらい海外のインディーロック不感症だった。間違いなくそうだったと確信した。
Phoebe BridgersやBig Thiefが現れても、「良いけどさ、これ俺が2011年とかに聴いてたインディーロックと何が違うの?」とか思ってた。
俺はインディーロックにありがちな繊細な音の質感だけ聞いて判断していただけだった。それがただ良い歌、心をつかむような良いメロディーがある曲だということに全く耳を傾けていなかったのだ、と気付かされた。
Phoebe Bridgersの「Motion Sickness」、本人の男装っぽい服が似合ってる(雰囲気ありまくる)というのは加点になってはいるが、なんて素晴らしい歌なんだ。なんでこん
んな ことに気付かなかったんだろう。俺はこのサビのメロディでボロボロ 泣いている。今。
インディーロックで最近良い人って女性ばっかじゃんとか思ってたし(実際今もそれは思う)、当時この曲が入ったアルバムを評価してた人からすると「今更かよ」ってカンジだろうけど…。
なんか師匠格にブライトアイズがいるみたいだけど、なんだよ今ブライトアイズの話する奴なんて誰も居ねえだろクソが!!!お前らは持ち上げてすぐ忘れる!とか大してブライトアイズのファンでもないのに(数枚持ってる。まぁ好きだけど)思ってた。苦笑
PVの内容はファニーだが、でも彼女が最後にバーのカラオケで熱唱する姿を見て、なんだか泣けてしまう。みっともなくてもあがくことが俺にとってのインディーロックだ、となんとなくその瞬間に思うのだった。
※追記。
「女の人が歌うインディーロックはだいたい良いしな」みたいな決めつけが、特に良くなかったと思う。彼女たちが、俺が好きな歴史上のロック・ミュージシャンと同じ思想を持ち音楽を鳴らしているという、いわば「ロックミュージシャン」として見れてなかったということだと思った。本当に失礼だ。言い訳をすると、女性の「声」というのは男性である俺は持ちえないので、それだけで羨ましくあったりするものなんだよ、というみっともない言い訳は書いておくけれど、これは本当に女性の音楽家に失礼な考え方だと思ったし、それがエイドリアンレンカーのソロや、Big Thiefの「Not」や、この「Motion Sikness」で解消された、粉々に吹っ飛んだ、ということは書き記しておきたい。
ここ5年くらいロックが死んだと言われてふてくされてたけど、実は全然そんなことはなかったんだ!自分が信じた音楽は、今でも生きていてそれが多くの人の支持を受けていて、まだ俺自身も感動できるんだ!と思った。