2018のロック勢力地図(なんてものはない)

数か月前、ちょっとしたDJイベントに出ることになりまして(全然隠遁してねえじゃん、とこのブログ的には突っ込まれるだろうが)田舎なので00年代の英米ロック(ガレージ・ポストパンク・ニューレイヴなど)聴いてた人も周りにいないのでそういうのかけまくってやろうと思いyoutubeや所持しているCD-Rで聞き返したのですが、いまになってええやんとなっているところです。カサビアンの最初のほうええやんとか、ザ・サンシャイン・アンダーグラウンドってそんなエレクトロじゃなかったのねとか(シミアン・モバイル・ディスコと混同してたか?)ジ・エネミーええやんとかそんな感じです(笑)。所持しているCD-R、などと申しましたが元々僕はストロークスホワイト・ストライプスに始まり、リバティーンズフランツ・フェルディナンドが中継ぎしてアークティック・モンキーズに至る、みたいなあの一連の流れに連なる音楽が当時(ザ・ヴァインズとブロック・パーティー以外)大嫌いだったのです。2010年、ツイッターを始めたあたりからかなり良さが分かって来ましたしストロークスもアークティックも好きな曲は結構あるって感じだったのですが、新譜も出たとのことでアークティックを聞き返していたらようやく1stを心の底から「ええやん?」と言えるようになった気がしてます。リリースから十数年経ってました。ちなみに前作「AM」もなかなか唸らせる内容ですよね、半分以上がほぼヒップホップだと思うんですが(元々ザ・ストリーツの影響は濃かったけども…)、ヒップホップ大勝の時代にミクスチャーロックとはまた違うヒップホップの取り入れ方をしていて、ヒップホップをバンドが生で演奏しそこにブラック・サバス(3rdでやっていた)的リフと、18の頃から枯れまくってるアレックス君の声を乗っけることでなんとか「ロック」として成立させている、最新形のロックとしてアップデートさせている、ロックバンドの皮を被れている、といいましょうか。そこまでしてロックを延命させようとしている(かどうかはわかりませんが)とか考えると壮絶。

 

えーそんなことが言いたいわけじゃ無くて、アークティックモンキーズの新譜は地元のUK好きなバンドの先輩や、TLにいる年下のポストパンク・ゴス・ギタリストもいろいろ言及していてあー久々に最大公約数的な話題だなーと感じた次第です。みんなが大好きな、とまでいかなくても皆が一目おいていてかつセールスも上げているアクト、ロックではもうビッグなのはThe 1975くらいでもうホント共通言語完全に失ったなって。2010~2011年のツイッターが面白かったのはギリギリ共通言語があったからで、具体的に言えばアークティック、クラクソンズ辺りのガレージからのニューレイヴって流れ(?)にケリがついて、その次にピッチフォーク激褒めのUSインディ・ブルックリン勢が洋楽ロックファンのなかで話題で、洋楽雑誌もまだギリギリそういうの載せてたしっていう。まー僕もともと洋楽リスナーじゃなくてジャパンのほうのロキノン厨なんでアレなんですけど。

そういうTLがざわざわするの感じたのは何年か前の(だいぶ前だけど)シガーロスの新譜くらいで、あとアットザドライブインの復活作も少し感じたかな(この時点で老害…)。ヒップホップやフランクオーシャンとか除く。いや僕がそのインディーR&Bとかに乗れてないだけだけど。僕がアンテナ張ってないだけだけど。

 

メディアに騙されるのが一番楽しいと僕は思っているけれどやっぱりここ最近のサインマグの最新HIP-HOP~R&B推し(マジで世界的な潮流だから推しもなにもないんだけど。むしろ日本と海外の差を埋めようとする非常にサインマグらしい、洋楽メディアらしい動きだけど)に乗ろう乗ろうと思いつつやっぱ無理で。でもそこでサインマグ、「最近サウス・ロンドンのロックシーンがアツいらしい」とかいう記事をぶっこんできてて。

thesignmagazine.com

まー、これもどうなるかって感じですけど。いつものごとく。

こういう、一つの盛り上がりやブーム(ポップアクトやヒップホップ)に対して、君たちはどう思ってる?みたいな、俺には対立の構図を煽るみたいに思える訊き方どうなんだろうっていうかなんかなー、メディアも次から次へ仕掛けたり紹介したり大変だよなって、やっぱ若い時はそういうのにみんな飛びついてほしいし、そういう想いでサインマグもやってるんだろうけど、疲れた。笑 お金も時間も無いんだよ年齢いくと。(とはいえ、この国の社会人って全然音楽聴かないし、若者が親世代になってもちゃんと音楽を摂取する風潮っつーか文化がもっと浸透してほしいとは思う)

 

スマブラ発売で盛り上がる外国人たちのように(以前そういう動画見たんだけど探してもいい感じのが見つからない…あるにはあるが…)、何かの新作を待ちたいなって思う日々っていうかそういうイントゥー出来る、追っかけられるものがある人って幸せじゃないですか?

 

90年代に多感な時期を過ごしてきた、僕より少し上の世代だと最大公約数ってビョークとかレディオヘッドとかベック、あとせいぜいオアシス兄弟やレッチリとかなのか(書き連ねるとロッキンオンになっていくな…)上の世代の洋楽ロックファンならなんなんですかね、HR/HMおじさんとかはいろいろいそうだけど、メイデンとかジューダスとか新作作るくらいやってんのかな?メタリカかな?そういう人達はコーンやスリップノットとかに対応できてればまだ良いんだろうけど。80sおっさんはマドンナ?マイケルもプリンスも死んじゃったし…。それより前の世代はデビッド・ギルモアとかになるんでしょうか、なんかピンポイントだしギルモア先生に失礼な気がしてきた…ニールヤングはずっとコンスタントに出してるぞ!
ほんと、アートスクールやシロップ好きだった僕みたいなやつがノーベンバーズやきのこ帝国やpolly聴く、みたいな「今の若手全部は理解できないけど、こいつらは俺が若い頃聴いてたやつらに通じるし良い意味でアップデートされてるぞ!」感、それがバランスよくて理想だと思うんですけどね。80sメタルおじさんのコーン・スリップノット問題ですよこれが。UKロックはストライプスとかヴァクシーズとかキング・クルエルとかThe 1975とか一年に一アクトは何故か売れるバンドが出るという国民的システムらしいんで(笑)そういうオッサンにね、なっていきたいけどむずかしいね。