「別に俺らは木下理樹でも五十嵐隆でもないんだから真似なくていいじゃん」というのはバンドをやる際に前提としてあるし、木下理樹の真似しても「劣化木下理樹」になるだけ、本当になりたいなら木下理樹が影響を受けている海外のオルタナやインディー、もしくは元ネタの映画や文学に当たるべきだと昔から考えているので(これはその目標になる対象がミスチルだろうがミッシェルガンエレファントだろうが同じで、すべてに言えること)別に真似する必要はないんだけど、一つの実験というか修行というか考察として、そういうことにチャレンジするのも面白いな、くらいの話です。 ちなみに俺は、憧れの対象のルーツに当たりまくった結果それとは全く別の仕上がりになりました、くらいが一番いいとすら考えている。俺がなりたかったものは木下理樹や五十嵐隆や後藤正文そのものではなく、「そういうような存在」になりたかっただけだからだ(だからこそART/syrup/初期バンプチルドレンの若手バンドには厳しく接している?のだが最近は初期indigo la Endみたいなのアリになって来ました)
結局、「そのバンドっぽい曲」っとは、「そのバンドの曲のどこかをパクっている曲」だ。 だがそのままパクるとただのパクリ、もはやカバーと変わらないじゃん、というレベルになってしまうので塩梅がめちゃムズい。 ART-SCHOOLパクリ界隈(そんな界隈は無い)でスター・バンドと言えるTenkiameは(知らない方はググって下さい)ART-SCHOOLを徹底的に再編集することでそれっぽさを出していて、サンプリングの量と見せ方が見事だった。 例えば「スカーレット」1曲からパクッたらスカーレットのなりそこないみたいな平凡なロキノン疾走曲が出来がちだが、イントロは「バタフライキス」っぽく、ギターのオブリは「Forget the swan」から拝借し、Aメロは「Fade to Black」のサビに似ているがサビは「Swan Song」のAメロだ、みたいな(もちろんあくまで例だ)ことをすれば、一聴しただけでは(情報量が多いので)「アートスクールの特徴を備えた、それっぽい曲」が出来るという寸法だ。
俺はThe Usedはファーストしか聴いてなくて、それのThe Taste Of Inkって曲のPVも見てたし好きな曲で、これもまぁある程度時代の音っていうか、ユーズドってさほどヘヴィになってないスクリーモっていうか。今のラウド・ロックっぽいスクリーモじゃないっていうか?わかります?ニューメタルとかメタルコア感が今あるじゃないすかあの手の音楽。ジミー・イート・ワールド的な音楽がうるさくなった、絶叫した感じっていうか(笑)。で、「All That I've Got」は2ndの曲で、俺はいまだに聴いてなくて。でも不気味なストーリー仕立てのPVも含めて好きで。イントロのドラムのスネアの音とか。なんかメジャーでモダンで綺麗に作ろうとしてる感が(笑)、そんなバンドいくらでもいるわけだけど、当時の俺はまだエモというのが分かって無くて、でも調べてて、いうなればサニーデイリアルエステイトとかMineralみたいなオールドスクールなエモと、こういうモダンなエモがあることもわかってなくて、時代的にも丁度過渡期で、定義も混乱していた時期で(今もか?)なんかそんな感じっていうか「あーこんなん見てたわ」っていう感覚。これただの「懐かしい」か? ちなみにyoutubeで聴いて「ユーズドもメタリックになってんのねー」って思った曲、調べたら2ndの1曲目だったのでもう俺の認識はガタガタ…